日中共創

「日中共創」の土台

「日中共創」化粧品は日中間の完璧な補完関係で成り立つ。中国の現代化粧品産業は1980年代後半から始まり、2008年に中国の一人当たりGDPが$3,000を超えて以来二けた成長が続いてきた。言うまでもなく中国の強みは市場規模やポテンシャル、そして資金力、更にコスト削減力である。現に日本の2倍以上の規模となっている中国市場だが、2019年の一人当たりではまだ日本の1/6程度である。一方、2021年の年収30万元(約600万円)を超える都市人口はTop 20の都市だけでも7,000万人を超え、美意識の覚醒に伴い成長するポテンシャルが高い。一人当たりの消費額が日本と同じレベルに達するには、今後市場が毎年10%成長したとしても20年かかる。一方、設計力、技術力、品質保証力などソフト面において、30数年しかない中国の化粧品業界よりも、150年以上の歴史を歩んできた日本の化粧品業界は信頼度も違う。実際に日本製の化粧品が中国人消費者に大いに歓迎され、輸入化粧品の中でもトップシェアを占める。中国税関総署の公表したデータによれば、2021年中国市場における日本からの輸入化粧品の総額はトップで、全体の約1/4の418億元であり、日本円に換算すれば8,000億円を超える。日本と中国の企業が最初から共同で化粧品を創れば、日中両方の市場ニーズに合った商品創りが可能となる。また、必要に応じて前期投資の確保で日本の「匠の技」を活かすことと、日中協力によるコストの最適化も可能になる。「日中共創」の目的はただ「日本製」をかざして中国市場を狙うのではなく、日中消費者のニーズを同時に満足させることである。つまり、それぞれの市場で順次発売することにより、日本市場で存在感を作り、中国市場でヒット商品となり、「日中win-win」で持続的な発展を目指す。

「日中共創」の一例

2018年12月中旬、中国化粧品メーカー最大手の一社であるPROYA社社長の方玉友氏と常務副社長の曹良国氏が来日し、神戸で弊社と協力の可能性について議論を交わし、その後東京で日本の化粧品業界において有名な専門家とブランド企画やパッケージ設計を瞬時に決定し、即「日中共創」という形で日本にヘアケアのブランドを立ち上げた。その後1年半以上の開発期間を経て、2020年8月より「OR (Off & Relax)」(https://offandrelax.jp)というブランドで温泉水スカルプケアをコアコンセプトにシャンプー、トリートメント、ヘアパックなど6つのSKUで全国のロフト店で先行発売し、その後ドラッグストアを含む数千店舗で展開し、楽天やアマゾンにおいてもネット販売を開始した。その後徐々に製品ラインナップが20SKU以上に拡大し、2021年7月より日本製の「OR」が遂に中国市場に登場し、販売量は既に日本市場の数倍となっている。2022年の「ダブル11」にも初参戦し、期間中T-mallとTikTokにおいて合計GMV3,200万元(約6.4億円)の売り上げとなった。日本の有名デザイナーによるパッケージは昨年度「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞するなど、ORはパッケージもプロダクトも日本と中国において幅広い消費者層に好評だ。「日中共創」の成功例といえよう。

「日中共創」の今後展望

「日中共創」の化粧品は様々なカテゴリーにおいて考えられるが、中でも特に医薬部外品を中心とした効能効果を堂々と主張できる高級スキンケア製品(例えば日本市場で流行している美白、しわ改善ダブル効果の商品)や、機能性を備えた高級フェイスマスク、前述の「OR」のような高級ヘアケア製品、中国人に大人気の日本製ヘアカラー製品、そして中国ではまだ化粧品市場全体の14%とポテンシャルの高いメイクアップ製品などが可能性は高い。 一方、「日中共創」は中国の企業にとってはあくまでも将来的に発展するための有効的な手段であるべきだ。そして日本側としては慎重に中国の協力企業を選ばなければならない。経営悪化している企業ではうまくいくはずはない。末端価格の1割以下のコストで3か月以内に入荷したい、このような要望をされても日本企業としては到底対応できない。一方、PROYA社のような上場企業で、今まで自社製品の販売で成功を収め、新規事業を支える柱を持ち合わせている企業なら「日中共創」は十分可能である。既に8,000億円規模を超えている中国向けの輸出化粧品を持続的に成長させるには、「日中共創」は必要不可欠なアプローチの一つだと確信している。

美研創新株式会社は、化粧品分野における日中両国の有志者と力を合わせ、これからも「日中共創」で明るい未来を切り拓きます。